点字名刺プロジェクト 



2014年11月4日・7日・8日・11日・14日・15日・16日の作業日誌


11月14日の作業風景です

作業日誌をご覧いただきまして誠にありがとうございます。


前回、更新させて頂いた11月2日の後、4日・7日・8日・11日・14日・16日に作業を行う事ができました。


お客様からココロ温まるご注文を頂いているお蔭で、週3回ペースで安定して作業を行う事が出来ております。本当にありがたい限りでございます。


今月から視覚障がい者の方を新たに一名、働いて頂く事になりまして、点字名刺プロジェクトでは4名の視覚障がい者の方が作業に携わる事ができるようになりました。


ご注文があって、初めて成り立つプロジェクトでございますので、お客様には本当に感謝の気持ちでいっぱいでございます。


新人の方は、白内障を患っている57歳の男性です。
「目が悪くなり、もう二度と働く事なんかできないと思っていました」


このようにおっしゃっていたのが印象的でした。






11月16日、点字名刺の作業の合間をぬい、高田馬場にある日本点字図書館で開催された、オープンオフィスを取材致しました。点字名刺の作業の関係で、一時間ほどしかいられませんでしたが、日本点字図書館を創立した、本間一夫氏の偉業を肌で感じる事ができました。





普段、入る事が出来ない点字書庫です。
担当者の方に伺うと、保管されているタイトル数は驚きの2万タイトル。しかし、中途で失明をする方も多いため、点字を理解できない人でもわかる、録音図書のほうがタイトル数が多いとの事でした。




本間一夫さんは、海外で使われていた様々な盲人のアイテムを、日本に持ち帰った人物として知られています。視覚障がい者専用のアイテムが少なかった時代、海外の文化を日本に導入したのが本間さんだったのです。




算数の本です。
わかりにくいかも知れませんが、この平行四辺形の中にボツボツが付いています。これで、「平行四辺形ってどんな形なのか?」 全盲の人でもわかるようにできているのです。




上記の写真は昭和40年~50年に海外から収集したアイテムです。視覚障がい者は、このアイテムを使って計算をしていたそうです。


鉄の小さな塊を使って計算をしていた?・・・ これだけ見ても、どうやって計算をするのかわかりません。そこで、担当者の方に聞いてみました。


この塊をよく見ると・・・
実は、1は1の形があり、2は2の形があったのです。まず、この数字の形を視覚障がい者が覚え、触って数字を認識し、ボードにある穴に埋める事によって、計算をしていたのだそうです。 


「今はこのようなものを使っていないと思う」とおっしゃっておりました。




上記の画像は、全て視覚障がい者に配慮して作られたアイテムです。例えば、お酒の缶には。「オサケ」と点字が刻印されています。


また、六甲のおいしい水にも、視覚障がい者に対する配慮がなされており、ペットボトルに、「水」という文字が浮かびあがっているのです。


「老若男女」・「障害の有無」・「国籍の違い」・「文化の違い」 など、『全ての人が利用できるデザイン設計が大切ですよ~』 ← このような概念をユニバーサルデザインといいます。 → ユニバーサルデザインとは何ですか?


点字名刺も、名刺に点字が入っていなければ視覚障がい者は理解できません。しかし、お名刺に点字が入っていると、目の見える方だけではなく、目の見えない方であっても、名刺の内容を理解する事が可能です。


ユニバーサルデザインは、社会に優しいアイテムとして。また、企業価値や個人の価値を高めるアイテムとして、少しずつ広がりを見せております。


共に生きる事の出来る社会を目指して、ほんの少しでもお役にたてれば・・・。そのような気持ちで点字名刺プロジェクトを運営させて頂いております。


最後まで読んでいただきましてありがとうございました。次の作業日は、17日・18日と続きます。


ご注文ありがとうございました。